田中おと吉と100台の計算機

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 チャールズ・バベッジの考案によって計算機が劇的に進歩するはずだったイギリスの産業革命時代、彼の計算機とスチーブンソンの蒸気機関、そしてフランス人ジャカードのパンチカードを組み合わせればコンピューターの製作が理論上可能でした。それは、ウィリアム・ギブスンの小説「ディファレンス・エンジン」で作品化されています。歴史を前倒しして行く蒸気駆動の歯車のオバケが自我を持ち、、、といった内容です。現実のコンピューター開発も国体に係わる重大事項であり、それはその後のコンピューター史が語っています。
 その一方で電卓(電子式卓上計算機)は、第二次大戦後の日本国内において経済史(在野の技術史)の象徴として飛躍的な進歩を遂げました。価格破壊を起こし電卓を大衆化したカシオの「答え一発」カシオミニや、シャープの省電力を売りした液晶電卓「EL-805」はその代表的な例です。パソコンのCPUもビジコン社が電卓用に開発したLSI「4004」から始まっています。
 この「在野の技術史」としての計算機を、私のコレクションから100台を厳選し、私のプロダクトと共に展示しました。



場所:Diego Casanova(ディエゴ カサノバ)※現在店主行方不明ナリ
    大阪市中央区南船場3丁目2番6号
    大阪農林会館 3階
期間:2007年8月7日〜12日