variant

国産材使用家具デザインコンペティション大川 2007」というコンペの入選案です。

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タイトル:
variant(ヴァリアント)。この言葉には形容詞として「標準とは違った、いろいろに変わる」、名詞として「変形、異形(いぎょう)」と言った意味があります。

otokichi showcase‘09

コンセプト:
このタイトル−variant−が示すように、このテーブルには定まった形がありません。用途や空間に呼応して様々に変形します。接続部の独自のギミック(仕掛け)が、単なる並べ替えではない「一定の制限された自由(=遊び)」をつくりだします。それは使用者のテーブルへの「愛着」となり、長く使ってもらえることに期待します。
また、使用材には間伐材などを使った集成材や合板を前提にしています。

otokichi showcase‘09

仕様及び構造:
各テーブルのサイズは、一名が作業するのに必要なワーク・スペースを想定し 750mm×450mm としました(ノート・パソコンを使ったデスク・ワークなど)。4台のテーブルをまとめれば 1,500mm×900mm のダイニング・テーブルに適した大きさになります。また各テーブルは、天板上面にあるネジで脚を取り外し、接続部で分離することができます(収納時の省スペース化)。
テーブルの四隅全てに「仕掛け」を付けることもできますが、実際の使用や製作のコストを考慮し、最小限の接続箇所数にしました。4つテーブルのつなぎ方は、可能なバリエーションを検討し、用途に最も多様性・展開性がある今回の提案としています。
テーブルの天板は3層とし、脚部を3層のうちの下層と結び、構造とします。中間層には各テーブルを接続する仕掛けが入ります。

otokichi showcase ‘09

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友人の画家tk4m氏(「タケシマ」と読む)の経営するカフェギャラリー、クリュード オハナでの個展です。タイトルは「otokichi showcase ‘09」、2009年のおと吉展示という意味でつけました。

otokichi showcase‘09

rondoとorbitのプロトタイプを中心にした展示でした。

otokichi showcase‘09

個展の機会を与えてくれたお礼にtetradをひとつ置き土産にしました。PSE法施行後店舗での販売を見合わせていますが、オハナで見て気に入ったって方は店主tk4m氏にお知らせください。
 場所 :crude OHANA(クリュード オハナ) 大阪市鶴見区今津南 1-4-19
 期間 :2009/6/16〜7/5

田中おと吉と100台の計算機

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 チャールズ・バベッジの考案によって計算機が劇的に進歩するはずだったイギリスの産業革命時代、彼の計算機とスチーブンソンの蒸気機関、そしてフランス人ジャカードのパンチカードを組み合わせればコンピューターの製作が理論上可能でした。それは、ウィリアム・ギブスンの小説「ディファレンス・エンジン」で作品化されています。歴史を前倒しして行く蒸気駆動の歯車のオバケが自我を持ち、、、といった内容です。現実のコンピューター開発も国体に係わる重大事項であり、それはその後のコンピューター史が語っています。
 その一方で電卓(電子式卓上計算機)は、第二次大戦後の日本国内において経済史(在野の技術史)の象徴として飛躍的な進歩を遂げました。価格破壊を起こし電卓を大衆化したカシオの「答え一発」カシオミニや、シャープの省電力を売りした液晶電卓「EL-805」はその代表的な例です。パソコンのCPUもビジコン社が電卓用に開発したLSI「4004」から始まっています。
 この「在野の技術史」としての計算機を、私のコレクションから100台を厳選し、私のプロダクトと共に展示しました。



場所:Diego Casanova(ディエゴ カサノバ)※現在店主行方不明ナリ
    大阪市中央区南船場3丁目2番6号
    大阪農林会館 3階
期間:2007年8月7日〜12日

「西洋人の日本観」の展示什器

奈良県立図書情報館で行われた企画展示「西洋人の日本観」の展示什器を設計しました。

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幕末から明治にわたって、西洋人が見た「日本」という国を著した書籍を中心とした展示で、中にはジョサイア・コンドルによる生花の本といった興味深い本もありました。会期は2007年からの3年間を3期に分け、毎年3月に開催されました。

時間や予算が限られる中で、他の展示にも転用できる汎用性(つまり耐久性も含むということ)も求められたのですが、そういった制限が形態や材料、配色などデザインの方向を決めてくれました。

場所:奈良県立図書情報館
期間:第1回 2007年3月6日〜29日「西洋人の日本観?−日本に関する本のさまざま」
   第2回 2008年3月11日〜30日「西洋人の日本観?−シーボルトの図書コレクションより−」
   第3回 2009年3月10日〜29日「日本におけるドイツ人の日本観−OAGの業績」
制作:HAUZEN